昨年、文部科学省が「全国の公立学校1897校で、2558人もの教員が不足している」(2021年4月1日時点)という調査結果を公表しました。
こんにちは!たまです!(https://twitter.com/hihi334455)
私は沖縄県で中学校教員を10年ほど続けているのですが、10年経験していろいろと見えてくるものがありました。
そこで今回は教員が不足している現代に、教員を目指す若人へ向けて記事を書きました。少しネガティブな要素もありますので、苦手な方はブラウザバックをお願いします。
はじめに申し上げておきますが、たまはこの仕事が好きです。中学生の成長を間近で見られますし、生徒の将来に少なからず関わることのできるこの仕事に誇りを持っています。だからこそ、教員をめざす方々に知っておいてほしいのです。
現役中学校教員が語る!教員になるために必要な資質能力2選
ズバリ!
「やめる勇気」と「学校を出る勇気」
です!( ー`дー´)キリッ
「勇気」つまり「気持ち」です。これ以外必要ありません。
大学生以下で教員をめざす人はきっと、自分が学生時代にいい思い出があったのかと想像します。実はそのいい思い出は多くの犠牲の上に成り立っていたのです。
この記事を読んでほしい人
なぜ「やめる勇気」と「学校を出る勇気」が必要なのか
理由は、
①学校は教員一人一人の時間を犠牲にして成り立っており、それが当たり前になっている
②「生徒のため」という言葉がある
この2つです。

①学校は教員一人一人の時間を犠牲にして成り立っており、それが当たり前になっている
教師の仕事量は膨大です。日々の授業はもちろん、児童生徒の生活指導・安全管理、教室・学校の整美、各種提出書類、職員会議、学年・教科会議、授業づくり、各種研修など挙げればキリがありません。
児童生徒が登校してきている時はその安全を確保することが最優先です。子どもたちは8時前には登校してきますから、8時から授業が終わる15~16時頃までは授業と児童生徒の生活指導・安全管理に時間を取られます。
では、その他の仕事はどうするか。8時よりも前、16時以降に行います。中学校は部活動があるので、19時以降になります。もちろん勤務時間外です。
「朝8時に教室に行き、職員室の自分の席に座るのが19時だった」ということもザラにあります。
19時から2、3時間集中して取り組めばその日の仕事はなんとか終えられます。これで1日が終了です。
それでも終わらない仕事や教材研究はどうするのか?安心してください。授業のない土日を使います。
土日には部活動がありますが、24時間×2日あるので、時間の融通がききます。
ちなみに、この多くの仕事を「やりがい」という人もいらっしゃいますが、
Twitter「#教師のバトン やりがい」で検索すると…




というツイートが上位に表示されました。
このように多くの時間、家族、子どもの犠牲の上に学校は成り立っています。

②「生徒のため」という言葉がある
学生時代に思い出に残っているのは何ですか?多くの人が体育祭、文化祭といった行事や部活動を思い浮かべるのではないでしょうか。
理想を壊してしまうようで申し訳ありませんが、こうした行事や部活動は教員の犠牲のもとになりたっています。行事は特別に行われますので、普段の業務に+αの業務となります。
普段でさえ時間が足りないのに、そこに+αが加わって仕事が早く片付くわけがありません。
また、部活動は業務ですらありません。教員の自主的な協力という名目のもとに行われています。
行事や部活動では、普段の授業とは違う経験ができますので生徒の成長がわかりやすいです。すると「生徒のため」に実施しようという声が挙がります。「生徒のため」という言葉は耳に心地よいでしょう。
しかし忘れてほしくないことは、教員は普段から多忙です。そこに+αするということは、さらに時間がなくなるということです。

これからの教員に求められる能力と現場の状況
ここからはたまの考える「これからの教員に求められる能力と現場の状況」についてお話します。
ご存じの通り今社会は大きく変化しています。これまでの「いい大学を出て、いい会社に入れば一生安泰」という時代はすでに終わっています。『ライフピボット』の著者黒田悠介氏は著書の中で次のように述べています。
「現在はVUCA(※)の時代と言われるように、わたしたちはキャリアプランのような長期的な計画を描ける状況にはありません。」『ライフピボット 株式会社インプレス』より抜粋
※VUCA(ブーカ)=Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つのキーワードの頭文字から取った言葉。現代の状況を表現するキーワードとしてよく使われる。
『ライフピボット』を紹介した記事はこちら↓

コロナ禍でリモート授業が導入されましたが、現場では大混乱でした。
リモート授業など経験したことがない人ばかりですので、本当に手探り状態でした。そして、教員の中にはPCの使い方もほとんどわからない方もいらっしゃいます。その対応も求められました。
これからの時代、変化はさらに速く、大きくなっていくことでしょう。これまでの学校の体制ではこれからの時代を生きていく子どもたちを教育していくことはできないと考えています。
だからこそ「やめる勇気」と「学校を出る勇気」が必要なのです。
はっきり言って現場はVUCAを意識していません。これまでと同じように点数・学力主義がはびこっています。しかし社会では変化に対応するべく、リモートワークなどの様々な変化が起こっています。
未来を創っていく子どもたちを育てる教員が、変化を知らずこれまでの教育に固執していていいわけがありません。
しかし新たな考え方を学んだり、取り入れたりする余裕はありません。
だからこそ教員は勤務時間内に仕事が終わるように、重要度の低い仕事をやめ、勤務時間後は学校を出て、外のコミュニティとつながる必要があるのです。
様々な人とかかわる前に下の記事も参考にしてください。子どもたちにも当事者として悩んでいる子は意外にいます。

社会でどういった力が求められているのか、目の前の子どもたちにどういった力をつけなければいけないのか、というのは学校の中でPCに向かっていてもわからないでしょう。

おわりに
変化の激しい時代を生き抜き、創っていく子どもたちを教育する立場にある私たち教員が変わらなければ何も変わりません。
本当に「子どもたちのため」になるのは何か。何をやめ、何を取り入れていればよいか。時代の変化にしっかりと対応したいものです。
では!
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