ある日のうさぎさんとたまの会話です。ちょっと聞いてみましょう……。

最近よく「LGBTQへの理解を深めよう」って聞くけど、「LGBTQ」って何??



それはマズいよ、うさぎさん。今「LGBTQ」への理解は世界的に広まっている状況なんだ。まだ十分とは言えないけどね。



じゃあそもそも「LGBTQ」について知らないというのはとてもマズいね。教えてたまさん!



オーケー。じゃあ「LGBTQ」って何かと、「LGBTQ」に関するおすすめの本があるからその話をするね!


この記事はこんな人に読んでほしい
・「LGBTQ」とは何か知らない
・「LGBTQ」とは何か知っているけれど、自分には関係ないと思っている
・友人、知人に「LGBTQ」なんじゃないかと思う人がいる
・思春期のお子さんがいらっしゃるパパママ
・教員を志望している人
※この記事は多くの人に性的マイノリティについて知ってほしいという思いから執筆しています。性的マイノリティの方たちを面白がったり、貶めたりする意図は少しもありません。また筆者の知識不足から誤解を招く表現があるかもしれません。その際にはお知らせいただけると幸いです。
※また、教員を志望している人にはこちらの記事もおすすめです


「LGBTQ」=性的マイノリティ(性的少数者)
LGBTQとは、Lesbian(レズビアン、女性で女性が恋愛対象)、Gay(ゲイ、男性で男性が恋愛対象)、Bisexual(バイセクシュアル、男性・女性どちらも恋愛対象)、Transgender(トランスジェンダー、自分の思う性と生まれた時に割り当てられた性別とが違う人)、Queer(クイア、もともとは「風変わりな」という意味があるが、中立的な総称として、性的少数者自らが積極的に使う言葉)やQuestioning(クエスチョニング、自分の性・性的志向がわからないまたは決めていない)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつ。
【東京レインボープライド2022「LGBTQとは」(https://tokyorainbowpride.com/lgbt/)】を参考にしました。


先日もワールドカップカタール大会で、差別に反対する意思を込めた腕章の着用を認めなかったFIFAに対して、ドイツ代表が手で口を覆うをしぐさをして関心を集めましたね。
このように、LGBTQ(性的少数者)の方たちへの関心や理解は世界的に高まっているとはいえ、まだまだであるというのが現状です。
また「LGBTQ」の他にも、「ジェンダーフルイド」「Xジェンダー」「ノンバイナリー」といった性的マイノリティの方たちを表す言葉もあります。本記事ではそういった方たちも含めて「LGBTQ」=「性的マイノリティ・性的少数者」と表現します。
どれくらいの人がLGBTQ?
さまざまな場所でさまざまな数字が言われていますが、日本約10.0%、アメリカ約3.8%、イギリス約2.0%、フランス約7.0%、ドイツ11.0%、スペイン14.0%の割合でLGBTQであるという調査結果が出ています。
日本だけでいえば、10人に一人、30人学級だと3人は性的マイノリティの方がいるということになります。
実際に私がこれまで関わってきた中学生にも「同性が好き」「自分の性別が嫌」という生徒が数名ですがいました。この数名が私に打ち明けてくれただけで、きっと他にもいたのではないかと思います。
また近年LGBTQへの理解が深まる流れから、打ち明ける人が多くなれば上の数字が増えていくことも予想されますね。
なぜ理解することが必要か
ここは私に打ち明けてくれた中学生の話になりますが、彼らは共通して「人に打ち明けられない苦しみ」を抱えていました。この体験があったことがこの記事を書こうと思った原動力になります。
思春期を迎える中学生は勉強や将来のことに悩むように、恋に、自分という存在に悩みます。しかし、その恋した相手が、自分という存在が周りと違っていたら…。人一倍周囲を気にする年ごろですから、簡単に誰かに相談することはできません。
私に打ち明けてくれた生徒たちの誰もが、ためらいながらも理解者を求めるようなまなざしをもって話してくれました。
想像したことがありますか?自分が周囲とは違う異質な存在であると認識させられる瞬間を。好きな人に想いを伝えることすら「変なことだ」と思ってしまう心境を。
そして彼らは悪意の無い、彼らに向けられたわけでもない、ちょっとした言葉に傷つけられることもありました。


どうやって理解をするか
思うに一番の方法は、当事者の方と会って話をすることだと思います。
ですがなかなかそうはいかないと思いますので、本を1冊ご紹介します。
『カミングアウト・レターズ 子どもと親、生徒と教師の往復書簡 RYOJI+砂川秀樹*編』
この本は2007年初版と少し古い本です。そのため、ゲイ・レズビアンの方たちのみが紹介されていますが今読んでも心にささる、ハッとさせられる本です。
内容は、ゲイ・レズビアンである子どもたちが親や教師にカミングアウトしたことを振り返る手紙やカミングアウトする手紙とそれに対する返事がおさめられています。
18歳から82歳までの、子と親、生徒と教師の7組の往復書簡、19通の手紙です。
どの手紙にも共通するのですが、手紙を贈る相手を気遣い、そして申し訳なく思っています。
人を好きになったり「自分とは何か考える」という誰もが通る道なのに、誰かを気遣ったり、申し訳なく思ったりしなければいけないのでしょうか。
この本には性的マイノリティの方たちの本当の気持ちが書かれていると思います。またそれを受け入れる家族の心境や無理解な社会への憤りといった性的マイノリティではない人たちが知るべきことも。
また、本の後半にはゲイ・レズビアンの子を持つ親御さんの座談会が掲載されています。こちらにもカミングアウトされた際の心境などがつづられておりますので、ぜひ読んでいただきたいと思います。
この本を読めばすべてが理解できるとはいえませんが、一度は読んでいただきたい1冊です。
まとめ


おわりに
今回はむずかしいテーマを取り扱ったと思います。ですが、記事中にも書きましたが生徒たちとの関りから常々この記事を書きたいと思っていたので、思い切って書いてみました。読者の方に私の知識不足・理解不足で不愉快な思いをさせてしまっていたら申し訳ありません。コメントでご指摘ください。また、何かご意見がありましたらコメントをください。では!
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