我が子がいじめにあったら…。現役教員が対処法をずばり解説

かわいい我が子がいじめにあったらあなたはどうしますか?

我が子がいじめにあったとき親として持つべき心構え取るべき行動絶対にやってはいけないことの3つを現役教員がずばり解説します。

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この記事を読むと…

・我が子がいじめにあったときの対処法がわかる
・親として一歩成長できる
・我が子がいじめをしてしまったときの対処法もわかる

いじめの定義

文部科学省は「いじめ」とは、次のようなことといっています。

「いじめ」とは、
「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

わかりやすくいうと、少しでも関係のある相手(友だちだけではなく、クラスメート、顔見知りなど)から、文句を言われたり、叩かれたりなどして「嫌な気持ち」になっている状況をいいます。

された側が「嫌な気持ち」になっていれば「いじめ」になります。

少しふざけたつもりでも相手が「嫌だ。いじめだ。」と思った時点でいじめになります。ということは、誰でも加害者にも被害者にもなる可能性があるということです。

また、起こった場所は学校の内外を問わないので、いつでも、どこでも起こりうるということを知っておきましょう。

親として持つべき心構え

親として持つべき心構えは、2つあります。

①子どもに絶対的な味方であると伝える
②ゴール(子どもたちの関係が今後どうなってほしいか、我が子も相手の子もどう成長してほしいか)を冷静に考える。

①子どもに絶対的な味方であると伝える

なによりも大切にしてほしいことが、「子どもに絶対的な味方であると伝える」ことです。
次の表を見てください。

教育家庭新聞(「いじめ発見のきっかけ半数はアンケート調査 いじめ認知54万件以上<文科省調査結果>」https://www.kknews.co.jp/post_health/20191028_1b)より引用

いじめ発見のきっかけとして「本人からの訴え」は18%にとどまります。

子どもたちは「親に心配をかけたくない」「おおごとにされたくない」という気持ちから、いじめを受けていることを隠しがちです。また私が関わってきた生徒のなかには「親には言わないで解決してほしい」という生徒もいました。

つまり本人から親へ相談があった場合や親であるあなたの耳にいじめの事実が入ってきた時点で、いじめが始まってから日が経っている(進行している可能性がある)ということです。

この時には絶対に子どもを否定しないでください。否定した時点で二度と話してくれなくなります。傾聴し、共感(子どもの気持ちを代弁するイメージ)してあげてください。

うんうん。と聴いてあげ、「辛かったね。痛かったね。苦しかったね。」と子どもの気持ちに共感してあげてください

大人もそうですが、自分の気持ちを言葉にするのってなかなか難しいですよね。それが子どもならなおさらです。
いじめられていた時の気持ちを話してくれたときは「苦しかったね」などと言語化してあげてください。言語化することで子どもは自分のおかれた状況を把握し、心を休めようとすることができます。

言語化の効果についておすすめ

子どもの話をしっかりと聴き、気持ちに共感して、「何があっても味方である」ということを子どもに伝えましょう。

②ゴール(子どもたちの関係が今後どうなってほしいか、我が子も相手の子もどう成長してほしいか)を冷静に考える。

この2つめのポイントは人によってはむずかしいと思います。

でも絶対に大事にしてもらいたいポイントです。

いじめ問題の「ゴール」を冷静に考えてください。「ゴール」とは「自分のお子さんが今後どのように成長してほしいか、相手のお子さんがどのように成長してほしいか」ということです。

なぜ相手のことまで考えなければならないかというと、それは「相手も子どもだから」です。

子どもは精神的に未発達です。未熟です。そのため、行動に訴えてしまうことがあります。ダダをこねたりするのはそのせいです。また自分の満たされない欲求を別の形で満たそうとしていじめをすることもあります。(心理学用語で防衛機制の「置き換え」)

いじめをする側は何か問題を抱えていることがほとんどです。その問題にアプローチできなければ、またいじめはターゲットを変えて繰り返されるでしょう。

つまり、自分の子どもに対しては「守る」相手の子どもに対しては「育てる」という意識をもつということです。

「自分の子どもをいじめた相手のことを考えるなんてできない」と思われるでしょう。しかし、次の加害者、被害者をうまないためにも必要なことなのです。

取るべき行動

親として取るべき行動は、①共有、②協力、③協同の3つです。いずれも大人同士(加害者、被害者、学校の先生)が取るべき行動です。

①共有

1.情報共有
(いつ、どこで、誰がかかわり、何をされたのかなどの事実関係の共有)
2.ゴールの共有
(加害者、被害者の子どもが今後どのように成長していってほしいか終着点の共有)
3.道筋の共有
(ゴールへたどり着くために、それぞれの大人がそれぞれにできることややるべきことの共有)

これらを共有するために加害者の親、被害者の親、学校の先生で何度も話し合いを持ちましょう。

②協力

ゴールとそのための道筋を共有したうえで、それぞれができることを協力して行います。

例えば、親御さんへの連絡を嫌がる子どもの場合は、学校の先生と親が前もって連絡を取り合い、「連絡を入れることでその子どものどのような変化を期待するのか」を共有します。そしてその子に一番響く形(親が泣いた方が心に響くのか、先生は冷静に諭した方がいいのか、など)で働きかけます。

その子に対してどんな働きかけをするのか、大人が協力して一番効果的な方法を取ります。

③協同

大人が「いじめ問題」に対応するときに大切にすべきことですが、ゴールは「子どもを守ることと良い成長です」

その目的を達成するために、「力・心を合わせて事にあたる」ことが大切です。

我が子が苦しめられ、はらわたが煮えくり返る思いでしょう。その思いは大切です。しっかり意思表示しましょう。しかしいじめ問題のゴールとその気持ちは切り離して考えなければいけません。

きっといじめられた本人は、早く解決をして次に進みたいと考えているでしょう。ですから、何かしらの形で決着をつけなければいけません。

そのためにも、子どもを守る立場である大人が冷静になり、どのような決着が望ましいのかを考えて協同で問題の解決を図ることが大切です。

絶対にやってはいけないこと

絶対にやってはいけないこと、それは「安易な解決」です。

加害者と被害者が一つの部屋に集まって、「ごめんなさい」をして終わるアレです。

最悪です。何の解決にもなっていません。

いじめる側は何かしらの問題を抱えていることが多いです。クラスや友達グループでは幅を利かせていても、家では兄弟には勝てなくてうっぷんがたまっている、などはよくあります。

こうした「いじめをする側が抱えている問題」をはっきりとさせ、その解決にまで向かわなければ、いつまでたってもいじめは繰り返されます

安易な解決は絶対にやってはいけません。

おわりに

今回の記事では、我が子がいじめにあったとき親として持つべき心構え、取るべき行動、絶対にやってはいけないことの3つを解説してきました。

いじめ問題の様子はさまざまですが、今回解説したポイントは基本的にどんな場合でも通用すると思います。

いじめが起こらないことが一番ですが、起こってしまったときにどう対処するかで結果が変わってしまいます。

この記事がいじめの解決に役立つことを祈っています。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

アラフォー国語教師をやってますが、自由で豊かな生活をめざして!趣味のキャンプやアウトドアについて、教育・子育てについて、豆知識などいろいろと発信していきます!

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