「高気密・高断熱住宅」っていいの?
こんな疑問があってこの記事を訪れてくださったと思います。
私も「高断熱だから夏は涼しくて、冬は暖かいのかな」「エアコン代安くなるかな」「高気密・高断熱住宅にするのにいくらぐらいかかるんだろう」など疑問だらけでした。
話題の高気密・高断熱住宅のデメリットメリットを深堀しましたので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
そもそも高気密・高断熱住宅って何?
高気密住宅は、防湿シートや断熱材、気密テープなどを使って、窓やドアなどの開口部をすべてしっかりと密閉し、空気漏れを防いでエネルギー効率を高めた住宅です。
高断熱住宅は、壁を厚くしたり、断熱材を重ねたりして、住宅の断熱性を高めた住宅です。
この2つを組み合わせた家を高気密・高断熱住宅といいます。

高気密・高断熱住宅のメリット
ヒートショック対策
急激な温度変化によって血圧が乱高下して脈拍が変動する現象を「ヒートショック」といいます。
2011年には「ヒートショックで死亡した人の人数が交通事故死者数を上回る」という発表もあります。
高気密・高断熱住宅は部屋ごとの温度差が少なくなるため、ヒートショックのリスクを低減できます。
省エネ効果
冬は熱を逃がさず、夏は冷気を逃がさないことで、家の中の温度を安定させ、冷暖房に使うエネルギーを削減することができます。
また、室内と屋外の気温差を維持する効果もあります。
その結果、年間を通して光熱費を抑えることができ、より快適な住環境を実現することができます。
高気密・高断熱の性能を数値であらわすときには、
(UA値)=外皮平均熱貫流率=室内の熱が外にどれだけ逃げてしまうかを表す数値
(ηAC値)=平均日射熱取得率=太陽の熱がどれだけ室内に伝わるかを表す数値
で表されます。
どちらの数値も低いほど住宅は快適ということになります。

室内の空気環境が改善される
窓やドア周りの密閉性が向上することで、カビやダニなどの空気中の病原体の侵入を防ぎ、より健康的な住環境を実現します。
また、
家中がより安定した温度に
断熱性と気密性が向上すれば、人工的な冷暖房を必要とせず、家中の温度を一定に保つことができるようになるのです。
洗濯物がよく乾く
外気からのムダな湿気の流入が少ないため、洗濯物がよく乾きます。
また、高気密・高断熱住宅は一酸化炭素が発生する石油ストーブが使用できないことから、エアコンや全館空調を使用するため空気が乾燥します。
洗濯物を部屋干ししたい梅雨の時期や花粉症の季節などによく乾くというのは大きなメリットです。
換気がきいていれば結露がおきにくい
換気がきいている限り結露が発生しません。
寝る前に暖房を切っても保温力によって室内の温度を一定以上に保つので、翌朝結露しません。
防音効果がきく
外壁が外からの音を遮ったり、断熱材が音を吸収したりします。
また、気密性が高いため冷気の侵入を防ぐのと同時に音の侵入も防いでくれます。
ご家族で静かに過ごしたい方にはピッタリですね。

高気密・高断熱住宅のデメリット
内部結露の可能性がある
内部結露とは、壁や床、天井の内部で結露が発生することをいいます。
壁などの内部にグラスウールなどの断熱材を入れる際に隙間ができることで起こる現象です。
アレルゲンが家の中に閉じ込められる可能性があります。
気密性を高めるために、構造上空気がこもりやすい特徴があります。
このため、アレルゲンを除去することが難しくなります。これは、アレルギーや喘息を持っている場合、特に問題となる可能性があります。
この対策方法としては、義務付けられている24時間換気システムを止めないことです。24時間換気システムを止めなければ、住宅全体の空気を時間をかけていれかえることができます。

建築・施工コストが高くなる可能性があります。
他の住宅に比べ断熱効果の高い建築資材を多く使ったり、すき間なく断熱材を入れるなど、高い精度で設計・施工をしなければないので、建築コストが大幅に増加する可能性があります。
坪単価約3万円~5万円の施工費用がかかるといわれています。
高気密・高断熱住宅を建てる際の注意点
高気密・高断熱住宅を建てる場合、注意すべきことがあります。
まとめ
高気密・高断熱住宅には、省エネ、室内の空気環境の改善、家中の温度が一定になるなど、多くのメリットがあります。
しかし、結露の発生やアレルゲンの付着、リフォーム費用の増加などのデメリットも考えられます。
そのため、高気密・高断熱住宅に関連する潜在的なリスクをすべて考慮した上で、自分にとって適切な選択かどうかを判断することが重要です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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