
沖縄って言葉も文化も独特だよね



そうだね。
でも実は全部が独特ってわけでもなくて、日本本土から入ってきて形が変化したものもあるんだ。
その中でも今回の記事では、沖縄の生年祝い「トゥシビー」について解説するね!
今日はたまの経験と、こちらの本を参考に沖縄版賀寿祝い「トゥシビー」を解説していきます!
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沖縄の賀寿祝い「トゥシビー」とは?
沖縄には、日本本土の賀寿祝い(年祝い)にあたる、生年祝い「トゥシビー」と呼ばれる風習があります。
沖縄では自分の生まれた年と同じ十二支の年(子年生まれの人は子年、丑年生まれの人は丑年)を「生まれ年」といいます。
生まれ年の正月(旧暦)のはじめの十二支の日に無病息災をヒヌカン(火の神、台所にまつる神様)とトートーメー(祖先)に願い、お祝いをします。
この祝いをと「トゥシビー」、「トゥスビー」などと呼んでいます。
地域によって多少の違いがありますが、一般的に行われているものをご紹介します。
「トゥシビー」一覧
(年齢は数え年) | 儀礼名行う日 | やること |
(十三祝い) | ジューサンユーエー数えの十三歳 旧暦の正月の 生まれた年の干支に当たる日 | 男女ともに祝う。特に女子は盛大。 赤飯に重箱料理をつくり、 親戚知人を招く |
ニジューグヌユーエー (二十五歳) サンジューシチヌユーエー (三十七歳) | (正月の初めの干支) 数えの二十五歳 数えの三十七歳 | ほとんどの地域で祈願をするのみ で、特別の祝いはしない。 |
ククヌトゥグンジュー (四十九歳) | (正月の初めの干支) 数えの四十九歳 | 大厄とされ、親戚・知人を 招いて厄除けの祈願をした。 |
ルクジューイチヌユーエー (還暦 六十一歳) | 数えの六十一歳 | もとの干支にもどる意味で 長寿の祝いだったが、 長寿社会の今日では、 通過儀礼的な意味合いが強い。 |
ナナジューサンヌユーエー (七十三歳) | 数えの七十三歳で 新年(旧暦)の 最初の干支の日 | 祈願した後、身内だけで 長寿を祝うことが多い。 |
ハチジューグヌユーエー (八十五歳) | 数えの八十五歳で 新年(旧暦)の 最初の干支の日 | 合同で祝う地域も見られるが、 親類縁者を招待して 宴会を催す人も多い。 |
トーカチユーエー (八十八歳) | 数えの八十八歳で 旧暦の八月八日 | 本来の「トゥシビー」ではないが 長寿の祝いとして沖縄社会に 定着した |
カジマヤーユーエー (九十七歳) | 数えの九十七歳で 旧暦の九月九日 | 最後の「トゥシビー」 オープンカーによるパレードも 見られる。 |
「トゥシビー」ではないですが、「ムーチー」や「タンカーユーエー」という風習もあります。こちらの記事もご覧ください。




「トゥシビー」ではどんなことをするの?
「ジューサンユーエー(13歳)」から「カジマヤー(97歳)」まで「トゥシビー」がありますが、それぞれどのようなことをするのかを解説します。
沖縄の風習は本来、旧暦と数え年で行われます。
現在では新暦で行われることが多いですが、地域によってはまだ旧暦に実施するところもあります。
数え年とは、生まれた年の元日を1歳として数える数え方です。
例 2022年12月1日に生まれた子は2023年1月1日には数え年で2歳ということ
ジューサンユーエー(13歳)
数え年13歳になると、男女ともに最初に迎える干支の日(子年なら子の日、丑年なら丑の日)に「ジューサンユーエー」は行われます。
この日は親戚縁者にごちそうをふるまい宴をもちますが、特に女の子は盛大に行われます。
これは、次の25歳のトゥシビーまでには結婚して家を離れることが普通であり、実家で祝う最初で最後のトゥシビーになるとされていたからです。
主役となる女の子は新調した服をきて、祝宴の招待客から祝い金をもらうなど、いいことずくめの一日を過ごします。
ヒヌカンにはお酒や赤飯をおそなえし、お線香をともして家族の健康を祈願します。
そしてトートーメーにはごちそうをおそなえして、ウートートゥします


ニジューグヌユーエー(二十五歳)・サンジューシチヌユーエー(三十七歳)
ユーエー(お祝い)とついていますが、特別に祝う風習はなく、ヒヌカンとトートーメーに祈願のみ行うという地域がほとんどです。
厄年の災難を無事に切り抜けられますようにという願立ての意味が強いです。
ヒヌカンに酒などをおそなえし、トートーメーにはささやかなごちそうをおそなえして、厄年の無事を祈りました。
ククヌトゥグンジュー(四十九歳)
数えで49歳のトゥシビーのことを「ククヌトゥグンジュー」とよび、男女ともに大厄とされ、特に運勢の良くない年とされてきました。
「ククヌトゥグンジュー」とは「9(ここのつ)」と「50(ごじゅう)」をあらわし、「死苦(49)」という縁起の悪い語呂を避ける意味から「ククヌトゥグンジュー」とよんだという説があります。
厄年である四十九歳を早く通り越して、五十歳を迎えたいという人々の願いが込められているのでしょう。
ルクジューイチヌユーエー(61歳)(還暦)


干支が一巡し、61年目で再び生まれた時の干支に戻ることから「還暦」といわれるお祝いですが、沖縄では「ルクジューイチヌユーエー」とも言います。
赤い布で作ったチャンチャンコや赤い頭巾を贈り、それを本人が身に付けて祝うという風習です。
しかし現代では61歳でも現役で活躍されている方が多く、祝宴をもたずに祈願のみで済ませることが増えてきました。
たま家では、両親ともに還暦を迎えています。
たまの両親の場合は、少し高級な料亭へ招待し、贈り物をして、子・孫とともに写真をとる程度で済ませています。
社会の変化、時代の変化とともに「トゥシビー」も変化しています。
ナナジューサンヌユーエー(73歳)
数えで73歳になった正月の最初に迎える干支の日を祝うものです。
特別に祝宴を設けるということは少なく、ヒヌカン、トートーメーに祈願のみで済ませるところがほとんどです。


ハチジューグヌユーエー(85歳)
昔は70歳まで生きられる人はまれだったので、85歳まで生きる人にはめったにお目にかかれませんでした。
ですからハチジューグヌユーエーはまぎれもない長寿のあかしであり、盛大にお祝いをしまいした。
この年齢のトゥシビーは厄年とする考えはほとんど薄れ、長寿を祝福するという面が強調されていきました。
しかし現代では、85歳まで生きることも珍しくなくなり、3年後には「トーカチユーエー(88歳)」が控えていることもあって盛大に祝宴を設けることは少なくなりました。
たまの祖父母もこのトゥシビーは行わず、誕生日パーティー程度でした。


トーカチユーエー(88歳)
日本本土の「米寿」にあたるお祝いです。沖縄では「トーカチユーエー(斗搔きの祝い)」と呼ばれます。
17世紀以降に、薩摩から伝えられた風習の一つだとされています。
旧暦の8月8日に親戚縁者を招いて盛大に祝いますが、祝いにきた客に「トーカチ(斗搔き)」をお土産として配るのが古くからのしきたりとなっています。
沖縄では「トーカチ(斗搔き)」は金持ちのシンボルともされており、金持ちにあやかるという意味が込められています。


トーカチユーエーで大切な儀式が「カタチヌメーヌウグヮン(模擬葬式)」です。(カジマヤー(97歳)で行う地域もあります。)
お祝いの前日の真夜中にトーカチユーエーを控えた本人に白衣(死装束)を着せ、西枕にして寝かせます。
枕元に線香を立て、枕飯(カタチヌメー)をそなえます。
肉親がまわりを取り囲むようにすわり、死をいたむように三回泣き声(名前を呼ぶ地域もある)を出し、お祈りをします。
カジマヤーユーエー(97歳)


数えで97歳になった年の旧暦9月7日に「カジマヤーユーエー」と呼ばれる長寿の祝いが盛大に行われます。
この年齢に達すると、人はみな童心にかえりカジマヤー(風車)で遊ぶようになる。だからカジマヤーを持たせて盛大に祝うとされています。
昔は97歳のお祝いはそうそうあることではなかったので、地域の人があやかろうということでこぞって参加して、集落全体で祝いました。
現在でもその傾向がみられ、オープンカーに風車や横断幕を飾り、集落内をパレードする姿が見かけられます。
トーカチユーエーのようにカジマヤーユーエーの前日に模擬葬式を行う地域もあります。
おわりに
沖縄には日本本土とは違った言葉や文化があります。
今回はその中でも年祝いにあたる生年祝い「トゥシビー」をご紹介しました。
沖縄で生まれ育ったたまもわからないことがあったので、今回の記事を執筆してとても勉強になりました。
記事を書くにあたって参考にした「沖縄祝い事便利帳」にはさらに「トゥシビー」以外の行事について詳しく書かれていますので、気になった方は読んでみてください。
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